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360度カメラ(全方位カメラ)の特徴・選び方を紹介

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360度カメラとは?
360度カメラとは、周囲360度を一度に撮影できるカメラのことです。全方位の映像を死角なく捉えられることから、「全方位カメラ」とも呼ばれます。従来は、複数台のカメラを設置することで死角が生じないようにするのが一般的でしたが、360度カメラなら1台で空間全体をカバーできるため、監視の効率化やコスト削減につながります。
それゆえ、オフィスや工場、店舗などに360度カメラを導入する企業が増えています。また最近では、スマホアプリやドラレコでも360度カメラが利用されるようになっています。
360度カメラのメリット3つ
360度カメラの主なメリットとしては、「広範囲をカバーできる」「コスト削減につながる」「迅速な対応が可能になる」といった点が挙げられます。
広範囲をカバーできる
360度カメラの最大の利点は、構図を気にすることなく、1台で広いエリアを網羅的に監視できることです。従来の防犯カメラは、特定の方向しか映せないため、どうしても死角が生じがちで、死角をなくすためには複数台のカメラを設置する必要がありました。
一方、360度カメラは1台で広い空間を丸ごと撮影できます。オフィスや店舗、工場や駐車場などの広いエリアにおいても死角のない監視ができるため、不審者の侵入や異常事態を見逃すリスクを低減できます。その場にいるかのような臨場感のある映像を残すことができるのも、360度カメラのメリットです。
コスト削減につながる
従来の防犯カメラで広いエリア全体を撮影する場合、複数台のカメラを設置する必要がありました。防犯カメラ本体の費用はもちろん、それぞれのカメラに電源工事や配線工事が必要になるため、どうしても費用負担が大きくなりがちでした。
その点、360度カメラであれば1台で広範囲をカバーできるため、複数のカメラを設置する必要がなく、大幅なコスト削減につながります。加えて、運用開始後のメンテナンス費用や監視に必要な人員の負担も軽減されるため、長期的に見ても大きな経済的メリットが期待できるでしょう。
迅速な対応が可能になる
従来の防犯カメラシステムの場合、状況を把握するためには、監視員が複数のモニターを切り替えたり、複数の映像を同時に確認したりする必要がありました。それゆえ、状況を把握するのに一定の時間を要するケースもありました。
一方、360度カメラは1台で広範囲の映像を捉えられるため、1つの映像で全体の状況を把握することができます。不審者の侵入や盗難、事故などの緊急事態が発生したとき、全体の状況を素早く、なおかつ正確に把握できるのは、360度カメラの大きなメリットだと言えるでしょう。迅速な状況把握は、適切な判断・行動を促し、被害の最小化や問題解決までの時間短縮につながります。
360度カメラのデメリット2つ
360度カメラのデメリットとしてよく言われるのが、データ量が多くなりがちなことと、設置場所によっては全方位撮影ができない場合があることです。
データ量が多くなりがち
360度カメラは広範囲を一度に撮影するという特性上、どうしてもデータ量が多くなりがちです。高画質であるほど、その傾向は顕著になり、データの保存容量が膨大になるだけでなく、ネットワークへの負荷も大きくなります。安定的に運用するためには、大容量のストレージや高速なネットワーク環境、データの管理体制などが必要になります。
設置場所によっては全方位撮影ができない場合がある
360度カメラは広範囲を死角なく撮影できるのがメリットですが、そのためには、天井の中央や壁の高い位置などに見下ろす形で設置することが推奨されています。特定の角度からしか撮影できない場所や、障害物が多い場所では、全方位撮影のメリットを十分に活かせない可能性があります。360度カメラを導入する際は、事前に設置環境をしっかりと調査することが重要です。
360度カメラの選び方
今や、さまざまなメーカーから360度カメラ・全方位カメラが販売されています。どれを選べばよいのか迷っている人に、選び方のポイントをご紹介します。
全天球か半天球か
360度カメラ・全方位カメラには、「全天球」「半天球」があります。
「全天球」とは、2枚のレンズが搭載されており、1枚のレンズで片面ずつ画面を捉えて、2つの映像を合成し、360度撮影できるものです。左右、前後、天地あらゆる方向にあるものを1度に撮影したい人におすすめといえます。また、広い範囲を撮影できるため、防犯カメラ、監視カメラとしても最適です。
一方「半天球」とは、ほとんどの場合1枚のレンズが搭載されていて、カメラの水平方向360度と、上部半分のドーム型に撮影できます。全天球カメラと違い、自分や三脚が写らないようにできるのがメリットです。景色のみ撮影したい人、パノラマに撮影したい人におすすめです。
耐久性
防水性や防塵性に優れた屋外対応もあるので、屋内か屋外など、どこに設置するかで最適な製品を選ぶことができます。
SDカードに対応
SDカード対応モデルは、SDカードの容量を合わせたり、SDカードを入れ替えることが可能です。レコーダだけではなく、SDカードを上手く使うことで長時間の録画ができます。一方で、SDカードを持ち去られるリスクも考えられるため、注意が必要です。
モードの豊富さ
会議や街の音を一斉にひろいたいときに役立つ「音声を360度収録するモード」や、監視エリアを通過した人の数を認識する「人数カウント機能」など、実に多彩です。
どのようなモードがあるのか確認し、カメラを使う目的によって選ぶようにしましょう。
画素数・解像度

画素数・解像度にも注目。360度カメラは、一度に広範囲を撮影するため、通常のデジタルカメラよりも高画素数、高解像度が必要となります。高画質で撮影したい場合は、画素数は1200万画素以上、解像度は4K以上のものがオススメです。
連続撮影時間
連続撮影時間も確認しておきたいところです。機種によっては、連続撮影時間に制限を設けているものもあります。動画撮影をメインに使ったり、リアルタイムで配信したりする場合には、撮影時間内におさまる連続撮影時間かどうかも確認しておいてください。
360度カメラの利用シーン例5選
ここからは、360度カメラや全方位カメラを設置すべき場所や、設置する際の注意点について説明していきます。
オフィス
オフィスに360度カメラ・全方位カメラを設置する会社も増えています。用途としては、オフィスの空間や社員の様子などを撮影し、採用PRとして会社の魅力を伝えたり、防犯対策として、受付やロビーに設置したりしています。
オフィスに360度カメラ・全方位カメラを設置する際には、以下に注意しましょう。
- 従業員に設置目的を説明し、理解を得ておく
- セキュリティ、プライバシーに配慮する
駐車場
駐車場に360度カメラ・全方位カメラを設置すれば、盗難や車上荒らしなどの防犯対策に有効です。注意すべきはカメラの設置場所。駐車場は死角になる部分が多いので、入り口と全体が見える場所に設置すると安心です。また、屋外の駐車場の場合は、耐久性にすぐれた防水・防塵機能付きのものを選びましょう。
コンビニ
コンビニでは、万引き防止や防犯、どんな客がなにを、どのような動線で商品を購入するのかなどの分析に、360度カメラ・全方位カメラは役立ちます。
ただし、店内では棚が高く、死角になる場所もあるため、複数台のカメラが必要な場合もあります。お店の外なら、360度カメラ・全方位カメラが大いに活躍するでしょう。
銀行
全方位カメラ・360度カメラは、銀行のセキュリティ向上のためにも活用されています。全方位カメラ・360度カメラは広範囲を監視できるため、死角をつくらず、ATMコーナーも含め銀行のフロア全体を広くカバーできます。フロアのレイアウトにもよりますが、1台のカメラで済めば、設置コストやメンテナンスコストの削減にもつながります。特に、背の高い遮蔽物が少ない銀行では、全方位カメラ・360度カメラのアドバンテージを活かせます。
物件・店舗のPR
全方位カメラ・360度カメラは、不動産物件や店舗のPRにも役立ちます。固定するタイプではなく、手持ちタイプの全方位カメラ・360度カメラで不動産物件や店舗内を撮影することで、臨場感のあるリアルな雰囲気を伝えることができます。近年、一般的になっているのが、不動産業者による物件のバーチャルツアーです。顧客に、実際に内覧するのに近い体験を提供することができます。店舗の場合も同様に、360度動画で店内の雰囲気を伝えることで来店促進につながります。
まとめ
本記事では、360度カメラのメリット・デメリット、選び方や利用シーンなどについて解説してきました。死角をなくして広範囲を監視できる360度カメラは、迅速な状況把握と的確なトラブル対応を可能にします。また、不動産物件のバーチャルツアーなど、監視以外の目的で活用されることも増えています。一方で、データ量の増加や設置場所の制約などのデメリットも存在します。このような特性を理解したうえで、用途や設置したい場所に合わせて最適な360度カメラを選びましょう。
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