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赤外線センサーとは?仕組みやメリット・デメリット、種類を徹底解説

更新日:2026/01/30
赤外線センサーとは?仕組みやメリット・デメリット、種類を徹底解説
赤外線センサーは、人や物体が放つ赤外線の変化を検知して機器を自動制御する技術です。非接触で動作することや、節電につながることが大きなメリットです。身近なところでは照明やリモコン、監視カメラなどのセキュリティ機器、さらには産業用計測まで、幅広い用途で活用されています。本記事では、赤外線の基礎知識からセンサーの仕組み、メリット・デメリット、種類の違い、具体的な活用シーン、選び方のポイントなどについて解説していきます。
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赤外線センサーとは何か

赤外線とは、可視光よりも波長が長く、目に見えない電磁波の一種です。赤外線センサーは、人や物体が放つ赤外線(熱放射)の変化を受光し、それを電気信号に変換して検知する装置のことで、非接触での検知や自動制御に広く活用されています。

赤外線の種類と使用例

赤外線は波長の違いから「近赤外線」「中赤外線」「遠赤外線」に分類されます。近赤外線(約0.7〜2.5µm)は可視光に近く、物体を透過しやすい特性があるため、テレビやエアコンのリモコン、監視カメラ、生体認証などに活用されています。中赤外線(約2.5〜4µm)は物質ごとに吸収特性が異なることから、化学物質の分析やガス検知、産業用計測に活用されます。遠赤外線(約4〜1,000µm)は熱エネルギーとしての性質が強く、暖房機器、オーブントースター、サーモグラフィ、夜間監視システムなどに使用されます。

このように、赤外線の性質に合わせて最適な波長領域が選ばれ、家庭用の機器から産業・研究用途まで幅広く活用されています。
※ 赤外線の分類の定義は分野によって異なります。

赤外線は人体への影響はあるのか

赤外線は、人の体や身の回りのあらゆる物体が自然に放射している電磁波であり、私たちの生活環境に常に存在しています。通常レベルの赤外線は人体に害を与えるものではなく、むしろ熱エネルギーとして日常生活を支える役割を果たしています。特に遠赤外線は体内の分子と共振しやすく、効率良く熱を伝える性質を持つため、暖房器具やサウナ、温熱療法などに活用されています。

一方で、太陽光に含まれる近赤外線は可視光線に近い性質を持っており、長時間浴び続けると皮膚の乾燥や眼への負担など、ごく軽度の影響が指摘されています。とはいえ、近赤外線のエネルギーは紫外線に比べてはるかに弱く、通常の生活環境において過度なリスクとなることはほとんどありません。

赤外線センサーの仕組みについて

赤外線センサーは、人や物体が放射する赤外線を検知し、その変化を電気信号に変換することで作動します。赤外線は、絶対零度以上のすべての物体から放出されるため、温度や動きのわずかな変化も捉えることができます。

多くの赤外線センサーは自ら光を照射する方式ではなく、周囲の環境に存在する赤外線の増減を受動的に読み取る「パッシブ方式」が採用されています。これにより、人が近づいた際の温度変化や動作による赤外線の揺らぎを高精度に検知し、照明の自動点灯や侵入検知など、様々な自動制御を実現しています。

赤外線センサーのメリット

赤外線センサーのメリット

赤外線センサーは、触れずに操作できる非接触性や、必要なときだけ動作することで節電につながる点など、多くのメリットがあります。人の動きを検知できるため、監視カメラなどの防犯対策にも欠かせない装置になっています。

非接触で動作する

赤外線センサーは、人や物体が放つ赤外線を検知する仕組みなので、スイッチやボタンに触れることなく機器を自動で作動させることができます。たとえば、手をかざすだけで照明が点灯したり、蛇口から水が出たり、近づくだけでドアが開いたり、トイレのフタが開いたりといった動作が可能です。こうした非接触性は、衛生面で大きなメリットになります。特に、公共施設やオフィス、医療・介護の現場などでは、多くの人が同じ設備に触れることで起こる接触感染のリスクを低減できます。

省エネ・節電につながる

赤外線センサーは、人の動きや温度の変化を検知して必要なときだけ機器を作動させるため、電力消費を大幅に抑えられます。照明の自動点灯・消灯や、水回り設備の自動制御に赤外線センサーを活用すれば、「電気の消し忘れ」や「水の出しっぱなし」などの無駄を防ぐことができます。特にオフィスビル、工場、学校、商業施設など、利用者が多く出入りが激しい場所では効果が顕著で、年間の電気代・水道代の大幅な削減につながります。

防犯対策に効果的

赤外線センサーは、人が発する赤外線や動きによるわずかな温度変化を高感度に検知できるため、防犯対策において大きな効果を発揮します。たとえば、敷地内に近付いた不審者を赤外線センサーが検知することで、ライトを自動で点灯させたり、防犯カメラを自動で作動させたりすることができます。これにより、侵入者の行動を抑止したり、周囲に異常を知らせたりといった防犯効果が向上します。センサーライト付きカメラ、セキュリティゲート、自動通報システムなど、多様な設備と組み合わせることで、より高度な防犯体制を構築できます。

赤外線センサーのデメリット

赤外線センサーは多くのメリットがある装置ですが、使用する環境によっては誤作動や意図しない検知が起こることがあります。特に、動物への反応や温度変化の大きい場所での誤作動などには注意する必要があります。

動物を検知してしまうことがある

赤外線センサーは、人だけでなく犬や猫などの動物にも反応してしまう場合があります。たとえば、センサーの前を野良猫が横切ることで、不審者を検知したかのようにセンサーが作動してしまうことがあります。特にセキュリティ用途においてこうした誤作動があると、不要なアラームや点灯回数の増加につながるため、設置場所の工夫や感度設定の調整が重要になります。

温度変化が大きい場所では誤作動が起きやすい

赤外線センサーは温度変化を検知する仕組みなので、直射日光やエアコンの風など、周囲の温度が急激に変化する環境では誤作動が起きやすくなります。たとえば、暖房器具の熱が当たる場所に赤外線センサーを設置すると、本来検知すべき対象がいなくても反応してしまうことがあります。正確に検知させるためには、設置場所を慎重に選定する必要があります。

赤外線センサーの主な種類

赤外線センサーは、検出方式によって大きく「熱型(非冷却型)」と「量子型(冷却型)」の2種類に分類されます。熱型と量子型では感度や応答速度などが異なるため、用途・目的に応じて最適な方式を選ぶ必要があります。

熱型(非冷却型)赤外線センサー

熱型(非冷却型)赤外線センサーは、受け取った赤外線を「熱」として検出し、その温度変化を電気信号に変換するタイプです。代表的なものに、焦電型センサーやサーモパイルがあります。冷却装置が不要で常温で動作することや、小型、低コスト、省電力といった利点があり、人感センサーや温度測定、セキュリティ機器など幅広い用途で活用されています。高感度や高速応答が求められる用途には後述する量子型が適していますが、日常的な用途であれば扱いやすく、十分に性能を発揮するセンサーです。

量子型(冷却型)赤外線センサー

量子型(冷却型)赤外線センサーは、赤外線を「光のエネルギー」として検知し、その光子量に応じて電気信号を生成するタイプです。熱型に比べて感度が高く、微弱な赤外線や高速で変化する現象も検出することができます。こうした特性から、天体観測や医療用分析装置、産業用の精密計測など、高精度が求められる分野で広く活用されています。一方で多くの場合、熱雑音の影響を避けるために冷却機構が必要になり、装置が大型化しやすくコストや消費電力が増えるのがデメリットです。

赤外線センサーの使用用途・場面

赤外線センサーの使用用途・場面

赤外線センサーは、防犯や省エネ、利便性向上など、様々な目的・用途で活用されています。こちらでは、「家庭での使用」「商業施設での使用」「街中での使用」に分けて、赤外線センサーの活用例をご紹介します。

家庭での使用

赤外線センサーは家庭における幅広い機器に利用され、生活の利便性と安全性を高めています。たとえば、テレビやエアコンのリモコンには近赤外線が使われたものが多くあります。また、玄関や階段などの照明も、赤外線センサーによって人の動きを感知して自動で点灯・消灯するタイプが増えています。その他、トイレの自動フタ開閉、自動水栓、非接触型体温計、高齢者やペットの見守りシステムなどにも赤外線センサーが用いられています。

商業施設での使用

商業施設においても、赤外線センサーが快適性向上や運用効率化に大きく貢献しています。自動ドアはもちろん、エスカレーターも人の動きを検知して作動するタイプが一般的になっています。トイレの自動水栓やジェットタオル、手洗い設備など、衛生面が重視される場所で赤外線センサーが広く活用されています。また、防犯カメラや照明制御に赤外線センサーを組み合わせることで、不審者の検知や省エネ運用をおこなう商業施設が増えています。

街中での使用

赤外線センサーは街中でも幅広い場面で活用され、公共インフラの安全性と運用効率の向上に貢献しています。たとえば、夜間に歩行者の接近を検知して自動的に点灯する街灯、公共施設の入口や駐車場ゲートでの通行者・車両の自動検知、街頭に設置された防犯カメラの動作トリガーなど、様々な設備に赤外線センサーが組み込まれています。また、歩行者や車両の動きを検知する交通信号にも赤外線センサーが利用されており、交通量をリアルタイムで把握して信号制御に反映することで、渋滞の緩和や交通の円滑化に役立っています。

赤外線センサーの選び方

赤外線センサーを選定する際は、まず用途を明確にします。人感検知であれば焦電型などの熱型センサーが一般的で、照明制御や自動ドアなど幅広い用途に対応できます。一方、温度測定や高精度な検出が必要な場合は、応答速度や感度に優れる量子型センサーが適しています。次に、設置環境を確認します。直射日光が当たる場所や温度変化の大きい環境に設置するのであれば、感度調整機能や耐環境性の高いモデルを選ぶと安心です。屋外設置の場合は防水・防塵性能が必須です。

「検知距離」「検知エリア」「出力方式」などが、自社のシステム要件に合っているかを確認することも重要です。実績のあるメーカーの製品は耐久性やサポート面で安心できるため、メーカーの信頼性も重視しましょう。

まとめ

赤外線センサーは、人や物体が発する赤外線を高精度に検知し、自動で機器を制御する技術です。照明の自動点灯・消灯や、水回り設備の自動制御による省エネ効果、非接触操作による衛生面の向上、防犯対策としての有効性など、様々なメリットが注目されており、オフィスや商業施設、工場や公共施設への導入が進んでいます。施設の運用効率化やコスト削減、安全性向上のため、赤外線センサーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

赤外線センサーに関するよくある質問

赤外線センサーが誤作動する原因は何ですか?

赤外線センサーは、直射日光やエアコンの風、暖房機器の熱などによる急激な温度変化によって誤作動を起こすことがあります。また、人だけでなく犬や猫など動物の動きに反応してしまうこともあります。正しく運用するためには、設置環境や感度設定に配慮することが重要です。

赤外線センサーが反応しないものはありますか?

赤外線センサーは、人が発する赤外線や動きによる温度変化に反応します。そのため、金属やガラスなど温度変化が少ない物体や、壁や家具のように動きのないものには反応しません。また、厚手の衣服で覆われている場合や、赤外線を遮る素材越しでは検知精度が低下することがあります。

赤外線を使った人感センサーの原理は?

赤外線を使った人感センサーは、人が発する赤外線(体温による熱放射)の変化を検知して動作します。センサーは周囲の赤外線量を常に測定しており、人が動くことで生じる赤外線パターンの変化を捉え、照明などの機器を自動で作動させる仕組みです。